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ウレタン塗装と焼付塗装の違いとは?比較基準や主な用途も解説

2023年05月31日

「ウレタン塗装」や「焼付塗装」などの言葉を聞いて、違いが分からず悩んでいる方へ。
シャッターや雨どいなど、家屋の塗装を考える際には、両者の特性を知っておく必要があります。

そこで今回は、「ウレタン塗装」「焼付塗装」それぞれの違いを解説します。
また、ウレタン塗装や焼付以外でも知っておきたい塗料も紹介するので、塗装への理解がより深まるでしょう。
塗装する際には、ぜひ役立ててください。

ウレタン塗装と焼付塗装の違いとは?比較基準や主な用途も解説

ウレタン塗装と焼付の違いは乾燥炉が必要かで判断する

ウレタン塗装も焼付塗装も作業手順はさほど変わりません。
両者の違いとして決定的な点は、乾燥の方法にあります。

具体的には、加熱設備である乾燥炉を使用するかどうかの違いです。
焼付塗装では、乾燥炉を使用して高熱を加えて乾燥させます。
一方のウレタン塗装は、ウレタン塗料に硬化剤を混ぜて、自然乾燥させる方法です。

両者の違いは、硬化させるための仕組みにあります。
熱を加える方法なのか、2液による化学反応によるかの違いである点を理解しておきましょう。

ウレタン塗装と焼付塗装を見分ける3つの基準

ウレタン塗装と焼付塗装の違いを、乾燥方法の観点から明らかにしました。
両者の違いを踏まえておくと、塗装する際にどちらを選ぶとよいか分かります。
両者を見分けるための基準として、次の3つを挙げて考察します。

・乾燥時間
・塗料費
・設備投資

可能な範囲で、効率的な塗装を選ぶとよいでしょう。

1.乾燥時間

乾燥時間は、常温で自然乾燥させるウレタン塗装の方が断然長くかかります。
具体的には、ウレタン樹脂塗装の場合、乾燥時間は1週間ほどですが、焼付塗装であれば20分から40分ほどで乾燥できます。

時間を節約したいのであれば、焼付塗装を選ぶとよいでしょう。

2.塗料費

塗料費は焼付塗装よりも、ウレタン塗装の方が高額です。
ここでは、それぞれの違いを1平方メートル当たりの塗装費用で比較します。

焼付塗装の場合、メラミン樹脂塗料より高いアクリル樹脂塗料でも、1,000円から1,800円ほどで収まります。
一方、ウレタン樹脂の塗料では、1,400円から2,500円ほどと明らかに高額です。

塗料費を節約したいのであれば、焼付塗装を選ぶとよいでしょう。

3.設備投資

設備面で考えた場合、焼付塗装には高額な投資が必要です。
乾燥炉を作業場に設置する必要があるからです。

設備投資する資金に余裕がないのであれば、ウレタン塗装を選ぶとよいでしょう。

また、乾燥炉を選び購入する際は、焼き付ける素材の大きさや必要な加熱温度を考慮し、条件に見合ったものを選んでください。

ウレタン塗装や焼付塗装で多用する3種類の塗料

ウレタン塗装と焼付塗装で使われる、主な塗料は3種類です。
ウレタン塗装、焼付塗装のどちらで多用されるのか表にまとめました。

塗装名

特徴

ウレタン樹脂塗料

ウレタン塗装で多用される。

高品質で、屋内外で使用可能。

メラミン樹脂塗料

焼付塗装で多用される。

紫外線に弱く屋内向け。

アクリル樹脂塗料

焼付塗装で多用される。

耐候性があり屋外向け。

3種類の塗料の特徴を解説していきます。

1.ウレタン樹脂塗料

ウレタン樹脂塗料は、ウレタン塗装で多用されています。
ウレタン(ポリウレタン)は、伸縮性と弾力性を特徴とする化学物質で、合成皮革や繊維などで使われている素材です。

主剤であるポリオールに、硬化剤であるイソシアネートを化学反応させて作られます。
硬化剤を使用して固形化させるので、常温で自然に乾くのを待ちます。

2.メラミン樹脂塗料

メラミン樹脂塗料は、焼付塗装で多用されています。
メラミン樹脂は、耐久性や光沢感がある合成樹脂で、主に食器や建材などで使用されている素材です。

有機化合物の一種であるメラミンに、ホルムアルデヒドを化学反応させて作られます。
メラミン樹脂は熱硬化性があり、加熱の過程で固形化する特性を持っています。

3.アクリル樹脂塗料

アクリル樹脂塗料は、焼付塗装で多用されています。

アクリル樹脂は、耐久性や光沢感に加えて透明度の高い合成樹脂で、窓ガラスや洗面台などで使われている素材です。
アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを重合させて作ります。

熱硬化性のあるアクリル樹脂は、加熱過程で固形化する特性を持っています。

ウレタン塗装と焼付塗装の使用用途を解説

ウレタン塗装と焼付塗装の使用用途を解説します。

共通して使用できる素材は金属です。
ウレタン塗装の場合、ABSやアクリル、PC(ポリカーボネート)などの樹脂関連にも使用可能です。

焼付塗装では、メラミン樹脂塗料とアクリル樹脂塗料で、使用できる金属の種類が異なります。
メラミン樹脂塗料では亜鉛やメッキ品も使用できますが、アクリル樹脂塗料では使えません。
アクリル樹脂塗料の焼き付け温度の高さに、素材の耐熱性が追い付かない点が理由です。

ウレタン塗装や焼付以外にも知っておきたい塗料

ここまで紹介してきた塗料以外で、代表的なものを表にしました。

塗料名

特徴

シリコン樹脂塗料

戸建塗装でよく使われる。

フッ素樹脂塗料

紫外線にとても強い。

エポキシ樹脂塗料

接着力、防食力が高い反面、紫外線に弱い。

無機塗料

無機と有機の成分を合わせ、高性能を実現。

ラジカル制御塗料

塗膜劣化対策の技術が使われている。

遮熱、断熱塗料

住まいの温度調整効果がある。

上記の6種類も代表的な塗料なので、知っておくとよいでしょう。
また、塗料は塗装のための新しい機能を持ったものが作られ、開発が進んでいます。
1液型といわれる硬化剤が混ざっている塗料は、比較的新しく開発されたものです。

上記6つの塗料は、2液型(ウレタン塗装)に加えて、1液型も作られるようになりました。
使用する塗料や使用用途により、必要な塗装方法は変わってきます。
塗装の知識を深め、目的に応じたふさわしい塗装をしましょう。

まとめ

今回の記事では、ウレタン塗装と焼付塗装で使われる塗料や乾燥方法を見比べ、気になる違いを解説しました。

両者で使われる代表的な塗料のほかにも、一般的に使われている塗料も紹介したので、より理解が深まったでしょう。
本記事が塗装を検討する方の参考になれば幸いです。

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