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すが漏の対策とは?雨漏りとは違う発生原因から予防する方法を解説
2023年06月08日
「すが漏り対策と雨漏り対策は違うの?」
雨漏りとの違いが分からず、区別して対策を考えられない方は多いでしょう。
すが漏りは雨漏りとは違うのでしょうか?
すが漏りが何かを説明し、その発生原因と対策を解説します。
現象としては同様のすが漏りと雨漏り、水漏れの3つを比較して解説するので、整理して理解してください。
すが漏りが疑われる家屋漏水の被害を受けている方は、ぜひともこの記事をお役立てください。
すが漏りと雨漏りの違いは?水漏れとの違いも紹介
すが漏りは、目に見える現象としては雨漏りと変わりません。
雨漏りと区別して判断するのが難しく、混同しがちです。
ここでは、似た現象である水漏れと併せ、3つを比較して解説します。
3つの特徴を、4つの項目で比較できるように表にしてまとめました。
すが漏り |
雨漏り |
水漏れ |
|
発生元 |
降雪 |
降雨 |
生活用水 |
発生原因 |
屋根上に溜まる水 |
屋根や壁の |
配管の 破損や老朽化 |
発生経路 |
屋根建材の接合部から浸水 |
屋根や壁の隙間から |
配管の亀裂部分から 漏水 |
予防対策 |
屋根上の除雪をする |
屋根や壁を修繕する |
配管を修理する |
1. すが漏り
すが漏りの発生元は雪です。
屋根に積もった雪は、屋内の熱で溶かされて水に変わります。
その水の一部がつらら(氷)となって軒先に固着します。
屋根の上に水が溜まる理由は、つららが溶解した水となり堰き止められるためです。
溜まった水が、屋根建材の接合部から浸入するためです。
屋根に欠陥がなくても発生するのが、すが漏りといえます。
予防対策として、屋根に積もる雪を早めに取り除くのがよいでしょう。
2. 雨漏り
雨漏りの発生元は雨です。
降り続く雨により、屋根や壁の隙間から雨水が侵入します。
屋根や壁の隙間は、建材の破損や老朽化が原因です。
施工不良の可能性も含めて、屋根や壁に欠陥があります。
屋根や壁を見まわして点検し、欠陥箇所を見つけ修繕しましょう。
3. 水漏れ
水漏れの発生元は生活用水です。
生活用水が通る給水管や排水管は、破損や老朽化により、亀裂が生じたり接合部のナットが緩んだりする場合があります。
そのような配管の欠陥部分から、生活用水は漏れます。
水漏れを発見したら、配管を点検し、どの箇所から漏れているのかの確認が必要です。
漏水箇所が特定できたら、部品を新しいものに交換したりナットを締め直したりします。
すが漏り対策に役立つ3つの発生条件
すが漏りは、どのような条件で発生するのでしょうか。
条件が分かると、対策の仕方も見えてきます。
主な条件は3つあります。
1. 雪が多く降り積もる地域や時期である
すが漏りの発生元は雪であり、地理的には年間を通して降雪量が多い地域が発生条件です。
時期的には、寒くて雪が降りやすい冬の季節が発生条件になります。
日本国内であれば、東北地方や北陸地方、北海道が豪雪地帯に当たり、地理的条件を満たす地域です。
12月から2月にかけては、時期的条件を満たします。
逆に、それ以外の地域や季節であれば、すが漏りが起きるのは稀です。
2. 屋根の傾斜が緩い造りになっている
雪が降り積もる屋根の傾斜角度も、すが漏り発生のしやすさに影響します。
傾斜角度が緩い構造の屋根は、それだけ降雪時に雪を溜めやすく、すが漏りが発生する要因になります。
屋根は、直射日光や降雨、降雪を防ぐ役割がありますが、雨や雪においては流し落とす役割が重要です。
雪の場合は、雨とは違って氷結しているので流れ落ちにくく、屋根の傾斜が緩いと落下させる重力が上手く働きません。
それだけ雪が屋根上に溜まりやすくなります。
3. 屋根の塗装が剥がれている
屋根の塗装は、屋根上に降り積もる雪を流しやすくするうえで、重要な役割を持ちます。
屋根に雪が残りやすくなる原因は、塗装が不十分である場合や劣化によるものです。
屋根は、長い間使用していると、太陽光による熱や紫外線を浴び続ける影響で劣化します。
特に塗装部分は影響を受けやすく、ひび割れや剥がれがおこります。
すが漏り対策のポイントは再凍結防止
「すが漏り」の「すが」は、氷を意味する東北地方の方言です。
その言葉が表す通り、すが漏りでキーワードになるのが氷といえます。
すが漏りが発生する過程を、順に整理してまとめてみました。
1.降雪で雪が屋根上に積もる
2.雪が屋内からの熱で溶かされて水に変わる
3.水が軒先に流れる
4.軒先から流れ落ちる水の一部がつらら(氷)に変わる
5.つららが障害になって軒先の水が流れ落ちにくくなる
6.屋根上に水が溜まる
7.屋根建材の接合部から浸水する
8.屋内でシミができるなどの漏水が発生する
すが漏り対策のポイントは、再凍結の防止といえるでしょう。
すが漏りを防ぐ4つの対策方法
すが漏りを防ぐには、具体的にどのような方法があるのでしょうか?
対策のポイントである再凍結の防止を踏まえて、考えられる対策4つを挙げて解説します。
上手に対策をして、すが漏りが起きにくい状態にしましょう。
1. 屋根の雪を取り除く
屋根に積もった雪は早めに取り除くとよいでしょう。
屋内の熱で溶かされて再凍結する前に、取り除いてしまうのがポイントです。
雪止め金具を使用している場合は、それが原因となって、雪が流れ落ちにくくなります。
すが漏りを防ぐためには、雪止め金具を外す判断も必要になるでしょう。
2. 屋根の傾斜を急な造りにする
屋根の傾斜角度は急な方が、手をかけずとも自然な重力の働きで、積もった雪は落下しやすくなります。
新築したり作り変えたりする機会があれば、屋根の傾斜角度は可能な限り急にするのがよいでしょう。
3. 屋根の塗装メンテナンスをする
屋根の塗装は、年月の経過で劣化は避けられません。
定期的なメンテナンスが必要です。
屋根の点検は、雪が降る冬を迎える前に行います。
必要に応じて補修や塗り替えを積極的に行いましょう。
4. 天井の断熱を施工する
すが漏りは、雪が屋内からの熱を受けて水に変わるので、熱が屋根に伝わらないようにするのも有効な対策です。
天井に断熱材を入れる施工で断熱性を高め、雪が溶けにくい環境を作ります。
比較的簡単に施工できるので、リフォーム会社に一度相談するとよいでしょう。
まとめ
本記事では、すが漏りが何かを説明し、その発生原因と対策を解説しました。
現象としては同様の、すが漏りと雨漏り、水漏れの3つを比較して解説したので、整理して理解できたでしょう。
すが漏りが疑われる漏水の被害を受けている方は、ぜひ参考にしてください。
すが漏り対策にこの記事が役立てば幸いです。