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屋根の構造とは?聞き慣れない名称から屋根の構造と役割まで解説
2023年02月19日
建物に付着する屋根は、どのような構造で作られているのでしょうか。
屋根は屋根材だけで作られているわけではありません。
聞き慣れない名称の説明から、屋根の構造を解説します。
屋根をリフォームする方法についても解説しますので、ぜひともご覧ください。
屋根の構造で使われる主な部材の名称4つ
屋根を構成している部材にはどのようなものがあるのでしょうか。
表で確認できる屋根材を含め、主な名称を4つにまとめました。
その4つの説明から屋根の構造を解説します。
①垂木(たるき)
屋根の傾斜を形づくる骨組みです。
屋根面に敷く屋根材を支える役割がある棒状の部材で、約45cm間隔で配置します。
屋根材を固定する際は、この垂木の上に釘を打つと強度が高まるため、屋根の基礎部として重要です。
この釘の打ち方ですが、雨漏りを抑えられるようになる意味でも、屋根を作るうえでは重要な施工方法となります。
②野地板(のじいた)
垂木の上に設置する下地材です。
18cm位の幅に9mmから12mm位の厚みの板を使用します。
表からは目にできない部分ですが、この上に重ねるルーフィングや屋根材の土台部分にあたり、その工程の重要性はいうまでもありません。
野地板に使われる板は、主に構造用合板です。
構造用合板は非常に強度の高い素材で、屋根の下地のほか、床や壁といった住宅の建築構造を支える重要な部分で使用されています。
③ルーフィング
野地板の上に設置する防水紙です。
このルーフィングは、雨漏りを防ぐ重要な役割を果たしている部材で、雨漏りを防ぐ最後の砦とも称されています。
もちろん屋根材に不具合がなければ大方の雨水の漏れは屋根材でも防げますが、たとえ屋根材に不具合があったとしても、このルーフィングがあれば何も問題はないのです。
素材は、アスファルトルーフィングが主に使用されています。
④屋根材
表に見える屋根の部材です。
屋根作りの最後の工程にあたり、表の顔としての装飾的な役割のほか、最初の防水としての役割も担っています。
屋根材で受けた雨水は雨樋へと受け流されていき、大方の雨水はこのような形で排出されていくのです。
屋根材に使用される部材には、日本家屋ではよく見られる瓦を始めとして、スレートや金属などがあります。
屋根の構造に付帯する主な部位の名称4つ
屋根の部材のほかにも、屋根の構造に付帯する部位の名称があります。
主な部位の名称としての4つを挙げました。
その4つの説明から屋根の構造への理解を深めます。
①棟(むね)
屋根面の、面と面が合わさってできる山の頂上線をいいます。
この棟は雨漏りが発生しやすい弱点があり、瓦屋根であれば棟瓦を使用するなど、工夫して雨漏りを防ぐ必要がある部位です。
②鼻隠し(はなかくし)
軒先の先端に設置する横板です。
垂木を隠す役割と同時に、雨樋を設置するための下地としての役割があります。
③破風(はふ)
三角屋根(切妻屋根)の三角に見える部分(妻側)の軒先です。
鼻隠しとは違い、雨樋の陰にならないこの部位は、表に晒されて劣化しやすい部分です。
④軒天(のきてん)
下から見上げる屋根の裏側にあたる軒裏です。
外壁から外に突き出している天井部分になります。
下向きの面ではありますが、軒先から伝わる雨水によって雨染みができやすい場所でもあります。
屋根の主な形状名称4つ
一口に屋根といっても、その形状にはさまざまな種類があります。
ここでは代表的な屋根の形状を4つ挙げました。
いずれの形状も基本的な構造は同じですが、それぞれに異なる特徴を解説します。
①切妻(きりづま)
三角屋根の形状です。
屋根の形状としては代表的なシンプルな構造で、日本では広く使用されています。
妻側に、ガラリ換気と呼ばれる室内が見えない通気口を取り付けられる強みがあります。
②片流れ
1面だけの傾斜した屋根の形状です。
雨樋の取り付けも片側だけでよく、作りも簡単なので工事費用を抑えられます。
③寄棟(よせむね)
4面で作られた大棟のある屋根の形状です。
大棟とは、屋根の山の頂上線で、水平の部分を指します。
4面を使用して構成するので工事費用が多少割高にはなりますが、雨水や積雪を4方向へ分散させる機能性が期待できます。
壁が4面とも屋根下で保護できるのも強みです。
④方形(ほうぎょう)
4面で作られた四角錐の屋根の形状です。
正方形の建物に多く使われる、山の頂点を中心に4つの三角面で作られている屋根になります。
寄棟同様に4面を使用して構成するので、寄棟同様の機能を持ちます。
屋根のリフォーム方法は2種類!選び方を解説
屋根材の損傷具合から、屋根のリフォームを考える場合ですが、その方法は2種類あります。
一つは「葺き替え」といって、既存の屋根材をすべて取り払い、新しい屋根材に葺き替える施工方法です。
もう一つの方法には、「屋根カバー工法」があります。
この「屋根カバー工法」は、既存の屋根材を残しながら、新しい屋根材をその上に重ねる施工方法になります。
工事費用が低く抑えられて工期も短くて済む利点がある反面、屋根が重たくなって建物への負担が増え、耐震性が危ぶまれる懸念があります。
新しく重ねる屋根材には、瓦以外の軽いスレートや金属を使用するのが適当です。
「屋根カバー工法」は既存の屋根の劣化が激しい場合には向かない工法であるともいえるので、リフォームを考えるときには、その辺を十分に考慮して判断した方がよいでしょう。
まとめ
本記事では、屋根の構造について解説しました。
今回の記事で、聞き慣れない部材や部位の名称、屋根の構造について理解が深まったでしょう。
屋根をリフォームする方法についても解説しましたので、屋根の工事をする際にはこの記事を役立ててください。